
シェアハウスへの引越しを検討する方の中には、「住民票はどうすればいいの?」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。シェアハウスでは、住民票の扱いについて分からないことが多く、手続きをそのまま後回しにしてしまう方も少なくありません。
この記事では、シェアハウスにおける住民票の基本的なルールから、実際の手続き方法、注意点、物件選びのポイントまでを解説していきます。これからシェアハウスへの引越しを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

シェアハウスに入居する際、「複数人が同じ住所を使う場合、手続きはどうなるのか」「短期間の利用なら移さなくてもよいのではないか」など、さまざまな観点から判断に迷う方も多いことでしょう。
シェアハウスはあくまで生活の拠点であり、一般の賃貸住宅と同様に住民票を移すのが原則です。ただし、利用目的や居住期間によっては、例外的に住民票を移さなくてよいケースも存在します。まずは基本的なルールを正しく把握したうえで、ご自身の状況に照らし合わせながら判断することが大切です。
住民票の異動は、法律上の義務として定められています。具体的には、住民基本台帳法第二十二条および第二十三条において、「転入・転居の際はその日から14日以内に転居した旨を市町村長に届け出なければならない」と規定されています。この義務はシェアハウスへの入居であっても例外なく適用されるため、生活の拠点をシェアハウスに移した場合は、原則として14日以内に住民票の異動手続きを行う必要があります。
なお、期限内に届け出を行わず、正当な理由なく住民票の異動を怠った場合は、住民基本台帳法第五十二条の規定により、最大5万円以下の過料が科される可能性があります。シェアハウスの場合でも、引越しが完了したらなるべく早く手続きを進めることが望ましいでしょう。
住民票の異動は原則として義務ですが、利用状況によっては移さなくてよい場合があります。そのひとつが、シェアハウスをあくまで短期的な仮住まいとして利用するケースです。
たとえば、次の住居が決まるまでの間だけシェアハウスに滞在する場合や、出張・研修など業務上の一時的な理由で短期入居する場合は、実家や従来の住所が引き続き生活の拠点であるとみなされることがあります。このような状況では、住民票を新しい住所に移さなくても、ただちに法律上の問題が生じるわけではありません。
ただし、「短期」とはどの程度の期間を指すのかについては、明確な定義があるわけではありません。一般的には1年未満の滞在が短期の目安とされることが多く、それ以上の居住が見込まれる場合は、たとえ当初の予定が短期であっても住民票を移すことが望ましいとされています。
もうひとつの例外として、シェアハウスをセカンドハウスとして利用する場合が挙げられます。セカンドハウスとは、自宅とは別に設けたもう一つの生活拠点のことです。
たとえば、平日は職場に近いシェアハウスで過ごし、週末や休日には家族と自宅で暮らすというライフスタイルの場合、生活の拠点はあくまでも自宅にあると考えられます。このように、シェアハウスが主たる住居ではなく、補助的な居住空間として機能している場合は、住民票を自宅の住所のまま維持することが可能です。
ただし、この場合も郵便物の受け取り方法には配慮が必要です。シェアハウスに重要な書類が届いてしまわないよう、郵便転送サービスを活用するなどの対策を講じておくと安心です。
住民票を移さないまま生活を続けると、行政サービスや日常生活の各場面でさまざまな不便が生じます。まず、行政サービスは住民票がある自治体を基準に提供されるため、現在の居住地では国民健康保険や住民税関連の手続きが難しくなってしまいます。
選挙についても、投票案内は住民票の住所に届く仕組みとなっています。特に注意したいのが、運転免許証の更新です。更新通知は住民票上の住所に送付されるため、期限を見逃して免許が失効してしまうおそれもあります。
そのほか、多くの企業では住宅手当(家賃補助)の受給条件として住民票の提出を求めており、異動が済んでいない場合は手当を受け取れない場合もあります。銀行や各種契約の住所変更も住民票を基準に行うのが一般的なため、旧住所のままでは手続きが滞る場面も出てくるでしょう。

シェアハウスの入居への手続きの流れは基本的に通常の引越しと同じですが、現在の住所がシェアハウスと同じ市区町村にあるかどうかによって、必要な書類と手順が異なります。
引越し後の忙しい時期に慌てないよう、事前に必要な持ち物や手順を確認しておくことをおすすめします。
住民票の異動手続きを行う際には、窓口へ持参する書類を事前に揃えておく必要があります。まず必須となるのが本人確認書類です。運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど、顔写真付きの公的証明書が最も確実です。顔写真が付いていない場合は、健康保険証と年金手帳など2種類の書類を組み合わせて提示することが求められる場合があります。
印鑑については、自治体によって必要な場合と不要な場合があるため、事前に転入先の市区町村のホームページで詳細を確認しておきましょう。他の市区町村からの転入では、旧住所を管轄する役所から発行された転出証明書が必要になります。転出届の手続きは引越しの2週間前から受け付けている自治体が多いため、余裕をもって準備しておきましょう。
なお、マイナンバーカードを持っている場合は「転入届の特例」が適用され、転入先の役所では転入届のみで手続きが完結し、紙の転出証明書が不要になるケースがあります。
現在の住所とシェアハウスが同じ市区町村内にある場合は、管轄の役所に転居届を提出することで手続きが完結します。提出先は市役所や区役所、または各自治体の出張所などです。※出張所によっては住民票の異動手続きを取り扱っていない場合もあるため、事前確認が必須です
「住民異動届」の氏名や新旧住所などの所定の項目を記入し、提出します。手数料は無料で、転居届を提出するとその場ですぐに手続きが完了し、新しい住所への住民票の更新が反映されます。住所変更に伴って住民票の写しが必要な場合は、転居届の提出と同時に発行を依頼しましょう。
シェアハウスが現在の住所とは異なる市区町村にある場合は、旧住所での転出手続きと新住所での転入手続きという、2段階のステップを踏まなければなりません。
まず、現在住んでいる市区町村の役所で転出届を提出し、転出証明書(手続きは引越しの2週間前から受付)を受け取ります。続いて、シェアハウスのある市区町村の役所で転入手続きを行います。転出証明書と本人確認書類は必ず持参するようにしてください。
遠方からの引越しの場合は特にスケジュールを意識し、期限内に終えられるよう準備を進めることが大切です。市区町村によって詳細が異なる場合もあるため、自治体のホームページを事前に確認しておくと、窓口での手続きをより円滑に進められるでしょう。
引越し後の忙しい時期に役所へ足を運ぶ時間が取れない場合でも、自治体によってはさまざまな柔軟な対応を行っている場合があります。転出届については郵送での手続きを受け付けている自治体が多く存するほか、昨今ではマイナンバーカードとスマートフォン等があれば、オンラインで転出届を提出できるケースも増えてきました。
一方、転入届については、原則として引越し先の市区町村窓口で直接手続きを行わなければなりません。※自治体によっては一定の条件のもとで代理人による申請を認めている場合もあり
引っ越しの際は各種オンライン手続きの活用も検討しながら、期限を守るために自身の状況に合った方法とスケジュールを選択してください。

住民票の異動手続き自体はそれほど複雑ではありませんが、シェアハウスならではの特性から、一般的な賃貸物件と異なる点に気をつける必要があります。たとえば、住所の記載方法や運営会社への確認事項など、見落としがちなポイントがいくつか存在します。
手続き後に「住所の書き方が違った」「管理会社に確認しておけばよかった」という状況にならないよう、事前に押さえておくべき注意点をしっかりと確認しておきましょう。
前述の通り、短期利用の場合は住民票の異動が不要なケースもありますが、その判断は慎重に行わなければなりません。判断の基準となるのは、「そのシェアハウスを生活の主たる拠点としているか」という点に集約されます。
といった場合でも、結果的に短期のつもりで入居しても実際には長期滞在になるケースも珍しくないため、生活の実態を見極めたうえでの判断が求められます。
加えて、住民票を移さないことでデメリットが生じる場面がある点も忘れてはなりません。行政手続きや勤務先への書類提出、各種契約の際に現住所の証明が必要なシーンでは、住民票と実際の居住地が一致していないことで不都合が生じやすくなります。自身の状況を整理したうえで、適切な対応を選択しましょう。
シェアハウスへ住民票を移す際に多い疑問のひとつが、住所の記載方法です。通常の賃貸マンションと同様に、シェアハウスの場合も住所欄には部屋番号まで正確に記載することが求められます。
複数の住人が同一物件に暮らすシェアハウスでは、部屋番号まで記載しておかないと、郵便物が他の入居者の郵便物と混在したり、誤配が起きたりする可能性があります。「101号室」「A棟202号室」のように、建物名・部屋番号まで漏れなく記入することで、行政窓口での手続きや郵便物の受け取りがスムーズになります。ドミトリー(相部屋)タイプの場合は、ベッド番号も記載が必要となることがあります。
住民票の異動手続きを行う前に、入居するシェアハウスの運営会社や管理者に対して、住所表記の確認を取っておくのが賢明です。シェアハウスによっては、郵便物の受け取りに用いる正式な住所表記が、地図上の住所と微妙に異なる場合があります。建物名の正式な書き方や部屋番号の付番方法なども、物件ごとに独自のルールがあることも珍しくありません。

特に初めてシェアハウスへの入居を検討している方にとっては、住民票に関するポイントは見落としやすい部分です。以下の確認事項を参考に、納得のいく物件選びを進めてください。
シェアハウスを選ぶ際に必ず確認しておきたいのが、住民票の登録に対応しているかどうかという点です。短期滞在を前提とした物件や、ゲストハウス・簡易宿所として運営されているタイプでは、住民票の登録が認められていないケースがあります。一般的な賃貸型シェアハウスとは扱いが異なるため、事前の確認が重要です。
シェアハウスを選ぶ際には、管理体制やサポート対応の充実度についても確認しておくとよいでしょう。たとえば、入居者間でのトラブルが生じた際の対応方針、設備の不具合が起きたときの連絡窓口の有無などは、快適な共同生活を送るうえで欠かせない要素です。
管理体制が整っているシェアハウスを選ぶことは、住民票に関するトラブルを予防するうえでも大切な判断基準のひとつになります。物件を検討する際は、内覧時や問い合わせの際にサポート体制についても積極的に質問してみてください。

ここでは、シェアハウスの住民票についてよく寄せられる質問をまとめて解説していきます。手続きに入る前に不明点をひとつずつ解消しておくことで、役所での手続きを落ち着いて進めることができるようになります。ぜひ参考にしてください。
シェアハウスに複数人が暮らす場合、住民票の「世帯主」欄に誰の名前を書けばよいのか迷う方もいるでしょう。結論としては、シェアハウスの入居者それぞれが自分自身を世帯主として届け出ることになります。
「世帯」とは、同じ住居で生計を共にする人たちの集まりを意味します。シェアハウスでは住居を共有していても、家賃や食費・日用品などの生活費はそれぞれが個別に負担しているため、生計を同一にしているとは見なされません。したがって、シェアメイトがいる場合も、世帯主は自分自身の名前を記載することになります。
なお、兄弟や恋人同士など、もともと親しい関係にある人々が同じシェアハウスに入居している場合でも、生計を別にしている場合は世帯は別々として取り扱われます。
住民票の住所欄に部屋番号まで記載する必要があるかという点について、シェアハウスでは明記するのが基本的なルールです。複数の住人が同じ物件に居住しているため、部屋番号がないと誰の郵便物か判断しにくくなるほか、住民票を発行した際に他の入居者と区別がつかなくなるおそれもあります。
ドミトリー(相部屋)タイプの物件に居住する場合は、担当する役所によって対応が異なる場合もあるため、事前に窓口へ確認しておきましょう。
住民票を移さないまま放置していた場合、法律上の問題にとどまらず、日常生活においても様々な不便を伴います。パスポートの申請や銀行口座の住所変更など、現住所の証明が必要な場面でも不都合が生じます。住民票は日常生活の多くの手続きに関わる書類ですので、引越しとともに速やかに手続きを行うのが得策です。
住民票を移すタイミングの原則は、住民基本台帳法の規定に基づき、生活の拠点がシェアハウスに移った時点から14日以内に届け出を行うことが義務付けられています。引越しの日程が決まったら転出届の手続きも同時に計画に組み込んでおくと、スムーズに手続きを進めることができます。

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